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商標権侵害とは?自社ブランドを守るために必要な知識を徹底解説

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現代のビジネスにおいて、ブランドは重要な経営資産ですが、安心・安全にブランドを利用して事業展開をする場合、商標の取得が必要となります。しかし、「そもそも商標って何のこと?」「商標権侵害はどこから該当するの?」などの疑問をお持ちの方もいるはずです。

この記事では、イメージしづらい商標の定義や概要を解説し、その上で、実際の商標権侵害事例を挙げながら具体的なイメージを持っていただけたらと思います。自社のブランドイメージや信頼性を失墜させないためにも、商標権侵害について理解しておきましょう。

目次

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  1. 商標権侵害とは
  2. 商標の定義
  3. 【商標法第25条】専用権について
  4. 【商標法第37条1号】禁止権について
  5. 他社の商標権を侵害した場合どうなる?
  6. 自社の商標権を侵害された場合どうなる?
  7. 商標権侵害に該当する3つのケース
  8. ①登録商標の使用・類似範囲での使用
  9. ②商標的使用
  10. ③間接侵害
  11. 転売に関する商標権侵害について
  12. サンプル・不良品の予定外の販売
  13. 小分けした真正品の転売
  14. 再包装した真正品の転売
  15. 改造した真正品の転売
  16. 4つの商標権侵害事例と判決内容を紹介
  17. 【類似ロゴマーク使用】OGGETTI事件(平成31年1月31日判決)
  18. 【名称類似】サクラホテル事件(令和2年2月20日判決)
  19. 【並行輸入品販売】フレッドペリー事件(平成15年2月27日判決)
  20. 【真正品の改造】任天堂事件(平成4年5月27日判決)
  21. 商標権侵害の警告・損害賠償請求された場合はどうする?
  22. GMOブランドセキュリティが商標出願登録を包括的に支援
  23. まとめ

商標権侵害とは

商標権侵害とは、他人が所有する商標権を無断で使用する行為、もしくはそれと類似する商標を無断で使用する法律上の行為を指します。商標権侵害が発生した場合、商標権を所持している側は、侵害者に対して商標権の使用停止や損害賠償を請求できます。

▼商標権侵害が発生する主なケース

  • すでに登録されている商標と同一または類似した商標を無断で使用する
  • Web上の販売サイトなどで許可なく他人の商標を使用して商品を販売する
  • 一度市場に出された商品を再パッケージングやリメイクする
  • 他社の商標を含むドメイン名を無断で使用する

商標権侵害は法律で厳しく規制されており、故意に侵害した場合には、刑事罰が科せられる可能性があります。

商標の定義

そもそも商標とは、商品やサービスがどの企業によって提供されているのかを示すためのマーク(識別標識)のことです。これは、商品名やロゴ、スローガン、パッケージのデザインなど多岐にわたります。

商標の登録にあたっては、登録したい文字列、図形などを決定し、商標を使用する商品やサービスを指定します。それを特許庁に申請した後、審査に通過することで商標は登録されます。

▼商標登録の代表例

  • Apple:リンゴの形を模したロゴ
  • マクドナルド:黄色い「M」のロゴ
  • Meta:「Facebook」というサービス名
  • ニトリ:「お、ねだん以上。ニトリ」というキャッチコピー
  • KFCコーポレーション:「カーネルサンダース」のキャラクター

これらは各企業の商標として広く認識されています。同じようなロゴやサービス名を勝手に使用した場合、商標権者より損害賠償請求を受けたり、刑事罰を受けるリスクがあります。

【商標法第25条】専用権について

商標が正式に登録されると、登録された分野(指定商品・指定役務)において、商標権者の独占的使用権が認められます。

独占的使用権とは、その名前の通り、商標として登録したロゴやサービス名を独占使用する権利のことです。商標権者以外の人は登録した商標を使用できず、無断で使用した場合は商標法違反として、損害賠償責任を負う可能性があります。

【商標法第37条1号】禁止権について

商標法には「禁止権」が定められています。禁止権とは、以下のような専用権に隣接する部分(類似の範囲)に関して、登録された商標や類似商標を商標権者以外が使用することを禁じています。

▼禁止権が有効となるケース

  • 登録された商標と類似する商標を、商標が登録された指定商品・指定役務について使用する場合
  • 登録された商標を、商標が登録された指定商品・指定役務と類似する商品・役務について使用する場合
  • 登録された商標と類似する商標を、商標が登録された指定商品・指定役務と類似する商品・役務について使用する場合

参考元:商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)

禁止権は商標権者が自社の商標を安心して使用し、その価値を安全に保護するための重要な規定です。

他社の商標権を侵害した場合どうなる?

他社の商標権を侵害した場合、民事責任・刑事責任の2つの責任が発生します。

民事責任
  • 差止請求
  • 損害賠償請求
  • 不当利得返還請求
  • 信用回復措置請求
刑事責任 10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方

まず、商標権の所有者が商標権侵害を確認した場合、侵害者に対して損害賠償請求訴訟を起こす可能性があります。

さらに、その行為が深刻な商標権侵害と見なされた場合、刑事事件に発展することもあります。刑事事件として取り扱う理由は、商標権侵害が個々の事業者だけでなく、市場全体の信頼性や消費者の利益に悪影響を及ぼすためです。

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自社の商標権を侵害された場合どうなる?

自社の商標権が他社によって侵害された場合、同一商標や類似商標の他社サービスの認知が拡大してしまったり、他社の粗悪品と自社商品が同一視されるリスクも孕んでおり、自社のブランド価値が下がる可能性があります。

同一商標や類似商標の他社サービスの認知が拡大し、自社のブランド価値が下がる可能性があります。また、他社の粗悪品と自社商品が同一視されるリスクも孕んでいます。

自社のブランドイメージや信頼性を大きく損なう可能性があるため、他社の商標権侵害を確認した場合には、早急に対処しなければなりません。

他社の行為が標権侵害に該当する場合は、侵害者に対して商標権侵害を停止するよう求めましょう。これを差止請求と言い、さらに深刻なケースなら損害賠償請求の検討も必要です。

商標権侵害に該当する3つのケース

商標権侵害に該当している主なケースを紹介します。他社に対して商標権侵害の停止を呼びかける前に、以下のケースに該当しているかをご確認ください。

  1. 登録商標の使用・類似範囲での使用
  2. 商標的使用
  3. 間接侵害

それぞれのケースを順番に解説します。

①登録商標の使用・類似範囲での使用

まず、登録商標の使用、もしくは類似範囲で使用していることが商標権侵害の要件の1つです。商標権侵害が成立する範囲は以下の通りです。

▼商標権侵害が成立する範囲

  • 登録済みの商標と同一の商標を使用した場合
  • 登録済み商標と類似の商標を使用した場合
  • 登録商標と同一の指定商品・指定役務で使用した場合
  • 登録商標の指定商品・指定役務と類似の商品・役務で使用した場合

②商標的使用

商標権侵害の要件として、商標的使用に該当している必要があります。そもそも商標は、自社商品と他社の類似商品を区別し、それが自社商品であることを明確に需要者に示すという目的で使用されます。

この商標の機能を「自他商品の識別機能」と言い、それに伴い、自社商品であることを需要者に示した上で、他社の登録商標や類似商標を使用することは商標権侵害に該当します。一方で、自社商品であることを需要者に示していない場合での使用は、商標権侵害になりません。

③間接侵害

間接侵害とは、直接的に商標権侵害にならなくても、その準備行為や誘発する行為を商標権侵害として規定したものです。この間接侵害は、「商標法第37条2号から8号まで」に規定されています。

▼間接侵害に該当する主なケース

  • 商標を付した商品を譲渡や輸出のために所持する行為
  • 商標を付した包装紙を所持する行為

転売に関する商標権侵害について

基本的には、商品の転売そのものは商標権侵害に該当しません。ただし、以下のいくつかの例外ケースにおいては、転売が商標権侵害に該当する可能性があります。

サンプル・不良品の予定外の販売

商標権者が販売する予定のないサンプル品、または不良品を第三者が転売する行為は、自他商品の識別機能を害する可能性があるため、商標権侵害に該当します。

小分けした真正品の転売

商標権者が販売した真正品を小分けにして転売する行為も、商標権侵害に該当する可能性があります。商品の特性や品質が保証されていない場合、商標の信頼性が損なわれるケースがあり、これも自他商品の識別機能を害するという理由で該当します。

再包装した真正品の転売

商標権者が販売した真正品であっても、再包装して転売する行為は、商品の特性や品質が正確に伝わらない可能性があるため、商標権侵害に該当する場合があります。

改造した真正品の転売

商標権者が販売した真正品を改造し、その改造品を転売する行為も自他商品の識別機能を害するため、商標権侵害に該当します。改造された商品は、元の商品とは異なる特性や品質を持つ可能性があり、これによって消費者に混乱を与えるリスクがあります。

4つの商標権侵害事例と判決内容を紹介

過去に大きな問題となった商標権侵害事例と判決内容を紹介します。実際のケースを知ることで、自社の商標を適切に管理し、侵害から保護する効果的な対策を立てることが可能になります。

【類似ロゴマーク使用】OGGETTI事件(平成31年1月31日判決)

所有するロゴマークが他社のロゴマークと類似していたとして、日用雑貨の小売やラッピングサービスを行う「OGGETTI」が「Oggetti」を相手に訴訟を提起しました。裁判所は、双方のロゴマークの類似性を認め、ロゴマークの使用についての差止請求及び、約50万円の損害賠償請求を認めています。

「Oggetti」という欧文字がブロック体で横書きされた部分と、「OGGETTI」の欧文字が横書きされたものが同一であり、称呼も同一であるという理由が主となり、商標権侵害に該当しました。

参考元:裁判所公式ウェブサイト

【名称類似】サクラホテル事件(令和2年2月20日判決)

サクラホテル事件では、「サクラホテル」という名称で商標を取得した宿泊業の営業会社が、「桜 SAKURA HOTEL」の商標を使用してホテルを営業する同業他社に、訴訟を提起しました。

裁判所は商標権侵害を認め、侵害者に対して商標の使用禁止と損害賠償を命じています。両者は称呼及び観念が同一であり、事業内容も酷使していたことが理由で、商標権侵害に該当しました。

参考元:裁判所公式ウェブサイト

【並行輸入品販売】フレッドペリー事件(平成15年2月27日判決)

フレッドペリー事件は、ライセンシーがライセンサーの許可なく、契約地域外でライセンスを受けた商標を付して製造した製品について、並行輸入が認められるかを判断した事件です。

並行輸入は商標権侵害に当たらない場合がありますが、今回の事案については、最高裁判所判決で商標権侵害に該当するとしています。

商標を付した事業者が、商標権者とのライセンス契約において設けられた、商標権者の同意のない下請製造を禁止する契約条項等に違反し、商標を付しているような場合はこれに該当するとのことです。

参考元:裁判所公式ウェブサイト

【真正品の改造】任天堂事件(平成4年5月27日判決)

任天堂のコントローラーの各内部構造に改造を加えた商品を、任天堂商品に付された登録商標及び原告表示をそのまま使用した上、「HACKER JUNIOR」の表示を付して「ハッカージュニア」の商品名で販売しました。

商標権侵害として裁判所は侵害者に対し、任天堂に損害賠償を支払うよう命じています。真正品を改造して転売する行為は、自他商品の識別機能を害するという理由から、本事件は商標権侵害に該当します。

参考元:裁判所公式ウェブサイト

商標権侵害の警告・損害賠償請求された場合はどうする?

他社から商標権侵害の警告や損害賠償請求を受けた場合、混乱や不安に襲われるかもしれません。しかし、以下のような対応を取れば、トラブルなくスムーズに解決する可能性が高まります。

  1. 他社の商標と「類似していない」ことを反論する
  2. 自社商品の使用目的が「商標的使用ではない」ことを反論する
  3. 他社よりも先に商標を使用していた場合、「先使用権」を根拠に反論する
  4. 商標権者の「商標登録の無効」を根拠に反論する
  5. 商標権侵害に該当しても、損害不発生であることを根拠に反論する

また、そもそもですが、商標権侵害を起こさないよう、自社のサービスや商品などをリリースする際は、事前に調査を行った上で商標登録することが非常に重要となります。

事前の対策を講じた上で、やむを得ない商標権侵害を発生させてしまった場合には、早い段階で専門家へ相談することで早期の解決につながります。

自社のブランドを安全・安心に使用するために、あらかじめ専門家へ相談し、適切な商標出願・登録などの支援を利用することをおすすめします。

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画像引用元:GMOブランドセキュリティ

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まとめ

この記事では、商標権侵害の基礎概要や該当するケースを詳しく解説しました。

商標は企業の重要な資産であり、その保護と管理はビジネスの成功に大きく寄与します。民事責任・刑事責任のリスクが存在するため、他社の商標権を侵害した場合、自社の商標権を侵害された場合、この両方の対処法を予め理解しておきましょう。

なお、「GMOブランドセキュリティ」は戦略的な商標出願・登録手続きを徹底的にサポートしています。自社ブランドを安全に保護したい方は、ぜひ本サービスの利用をご検討ください。

文責:GMOインターネットグループ株式会社

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