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SQLインジェクションとは?被害リスクや効果的な対策方法を解説

  • SQLインジェクションの仕組みとは?
  • 攻撃によるリスクや被害事例を知りたい
  • 効果的な対策方法を教えてほしい

このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。SQLインジェクションとは、Webアプリケーションのセキュリティ上の脆弱性を利用し、不正なSQL文を注入してデータベースを不正操作する攻撃のことです。

この攻撃を受けると、情報漏洩やデータの改ざん・消去、不正ログインなど、さまざまな被害を招いてしまいます。被害を出さないためには、まずは攻撃の仕組みや原因を理解することが大切です。

そこで今回は、SQLインジェクションの仕組み、攻撃によるリスクや被害事例、効果的な対策方法を解説します。最後までご覧になれば、SQLインジェクションの脅威を深く理解でき、その上で状況に合った対策を講じることができるでしょう。

目次

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  1. SQLインジェクションとは
  2. クロスサイトスクリプティングとの違い
  3. SQLインジェクションの仕組み
  4. SQL文の基本的な動き
  5. 被害を受けた場合の動き
  6. SQLインジェクションによるリスク
  7. 情報漏洩
  8. データの改ざん・消去
  9. 不正ログイン
  10. マルウェア拡散の踏み台として悪用
  11. SQLインジェクションによる被害事例
  12. ECサイトから個人情報が最大12万件流出
  13. メールマガジン会員の個人情報が約27万件流出
  14. オンライン書店のWebページが改ざん
  15. SQLインジェクションの対策方法
  16. プレースホルダを使用する
  17. エスケープ処理を実行する
  18. ソフトウェアを常に最新の状態に保つ
  19. WAFを導入する
  20. SQLインジェクションの対策ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエ
  21. まとめ

SQLインジェクションとは

SQLインジェクションとは、Webアプリケーションのセキュリティ上の脆弱性を利用し、不正なSQL文を注入してデータベースを不正操作する攻撃のことです。「SQL」はデータベースを操作する言語の名称であり、「インジェクション」は注入を意味します。

具体的には、攻撃者が意図的に不正なSQL文を注入することで、データベース内の情報の盗み出しや改ざん、消去などを行います。IPA 独立行政法人 情報処理推進機構の「安全なウェブサイトの作り方 - 1.1 SQLインジェクション」でも、このSQLインジェクションの注意喚起が行われています。

クロスサイトスクリプティングとの違い

クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、Webサイトやアプリケーションの脆弱性を利用し、サイト利用者の個人情報盗難などの被害を及ぼすサイバー攻撃のことです。脆弱性を利用するという点では同じですが、両者は目的が大きく異なります。

SQLインジェクションはデータベースの不正利用を目的とする一方で、クロスサイトスクリプティングはWebサイトの信頼性を低下させるため、もしくはユーザーの個人情報を盗むために行われます。

【関連記事】XSS(クロスサイトスクリプティング)とは?攻撃手法と5つの対策を紹介

SQLインジェクションの仕組み

SQLインジェクションの仕組みを、「SQL文の基本的な動き」と「被害を受けた場合の動き」に分けてそれぞれ解説します。攻撃の仕組みを理解することで、適切な対策を取る上での知識が深まります。

SQL文の基本的な動き

SQL文の基本的な動きとして、SQL文をアプリケーションの入力フィールドに注入することで、データベースに対して命令を送り、処理を実行します。

具体例を挙げると、Webサイトのログイン画面でのID入力欄に「氏名」を入力すると、特定のSQL文が生成され、そのSQL文がデータベースに送られます。その後、「氏名」に関する情報がデータベースから抽出され、Webサイトに表示されることで自身の情報を確認できます。

被害を受けた場合の動き

SQLインジェクションの被害を受けた場合、データベースの情報が流出したり、改ざんされたりする可能性があります。これは、不正なSQL文がデータベースで実行されるためです。

具体例として、脆弱性のあるWebサイトに不正な文字列が入力されると、その文字列によって不正なSQL文が生成されます。そのまま不正なSQL文がデータベースで処理されてしまい、結果として意図しない形でデータが抽出されます。

この動きにより、悪意のある第三者に本来データベース上で保存されている機密情報や個人情報が流出してしまうのです。

SQLインジェクションによるリスク

SQLインジェクションによる主なリスクを、以下4つの項目に分けてそれぞれ解説します。

  1. 情報漏洩
  2. データの改ざん・消去
  3. 不正ログイン
  4. マルウェア拡散の踏み台として悪用

以下、各リスクの詳細について見ていきましょう。

情報漏洩

SQLインジェクションの不正操作により、情報漏洩が起こるリスクがあります。このリスクは、入力フォームから不正なSQL文が注入され、データベースの内容を不正に抜き取られるために発生します。

▼SQLインジェクションによる情報漏洩の例

  • ユーザーのログインIDやパスワード
  • 顧客の住所やクレジットカード情報
  • 社内の機密情報や業績データ

情報が漏洩すると、個人は金銭的被害を受ける可能性があり、企業にとってはブランドイメージの低下や業績の悪化に繋がる恐れがあります。

データの改ざん・消去

Webサイトのデータが第三者の手で改ざんされたり、全て消去されたりする可能性があります。特に利益に直結するような情報を扱うWebサイトの場合、SQLインジェクションによって多大な損害を招いてしまいます。

▼SQLインジェクションによるデータの改ざん・消去の例

  • 商品の価格や在庫情報の改ざん
  • ユーザーのコメントやレビューの削除
  • 会員情報や取引履歴の改変

このような攻撃は、ユーザーへの信頼喪失や売上減少をもたらす可能性が高まります。

不正ログイン

SQL文が利用されることで、Webサイトやサーバー内に不正ログインされるリスクも考えられます。具体的には、ログインの認証情報を回避することで、Webサイトやシステムへの不正アクセスが発生します。

特に管理者画面への不正アクセスを受けた場合、大きなトラブルに発展する可能性があるため早急な対処が求められます。

マルウェア拡散の踏み台として悪用

企業のWebサイトをマルウェア拡散の踏み台として悪用されるケースもあります。これは、第三者によってマルウェアそのものをデータとして登録されるほか、悪質なWebサイトのURLを登録されるなど複数の手口があるため注意が必要です。

マルウェア拡散の踏み台として利用された場合、サイト訪問者だけでなく、関係する周囲のネットワークにも大きな被害が及ぶ可能性があります。

【関連記事】マルウェアとウィルスの違いとは?関係性や感染時の見分け方、感染時の対策を解説

SQLインジェクションによる被害事例

実際に起きたSQLインジェクションによる被害事例を3つ紹介します。被害事例を把握することで、SQLインジェクションへの理解がより明確になるはずです。

ECサイトから個人情報が最大12万件流出

2020年4月に事務用品を扱うECサイトで不正アクセスが発生し、個人情報が最大12万件流出した可能性がある事件が起きました。個人情報のほかにも、クレジットカード情報を含む顧客情報が94件盗み出されたとのことです。

不正アクセスの原因はSQLインジェクションだと報告され、対策のために該当するECサイトは一時閉鎖となりました。

メールマガジン会員の個人情報が約27万件流出

2018年6月にアウトレット運営会社がSQLインジェクションの不正アクセスを受け、メールマガジン会員の個人情報が約27万件流出しました。

調査報告では「ホームページ用サーバーに対する『SQLインジェクション攻撃』を用いた不正アクセスがあったことが確認され」と、SQLインジェクションによる被害だと明記されています。

オンライン書店のWebページが改ざん

SQLインジェクションの被害によって、オンライン書店のWebページが改ざんされる事件が2008年5月に発生しました。

第三者による改ざんにより、該当するWebページにアクセスすると悪意のあるWebサイトに誘導され、マルウェアやウイルスに感染する危険性があったとのことです。被害拡大を防ぐため、対象のWebサイトは一時的に閉鎖されました。

SQLインジェクションの対策方法

SQLインジェクションの脅威に遭う前に、効果的な対策を図ることが重要となります。具体的な対策として、以下5つの方法を解説します。

  1. プレースホルダを使用する
  2. エスケープ処理を実行する
  3. ソフトウェアを常に最新の状態に保つ
  4. WAFを導入する
  5. セキュリティ対策ソフトを利用する

各対策について詳しく見ていきましょう。

プレースホルダを使用する

1つ目に、プレースホルダを使用する方法が挙げられます。プレースホルダとは、SQL文の中の変動箇所に使用する特殊な記号や文字列のことです。

入力箇所は値として処理されるため、不正なSQL文が入力されたとしても、命令に関わるような特殊文字は無効化されます。これにより、不正SQL文による実行リスクを防ぐことができます。

エスケープ処理を実行する

エスケープ処理を実行する方法も一つの手段です。エスケープ処理とは、特殊な文字を一般的な文字列として扱うための処理のことです。この処理により、悪意のあるSQL文を無害化できます。

例えば、攻撃者によって不正なSQL文が入力されたとしても、攻撃コードに含まれる特定の文字列や記号を削除し、処理によって安全なSQL文に置き換えることが可能です。その結果、SQLインジェクションの攻撃を阻止できるようになります。

ソフトウェアを常に最新の状態に保つ

ソフトウェアを最新の状態に保つことで、システムの脆弱性を改善できます。古いソフトウェアは脆弱性を抱える可能性が高く、場合によってはそれが攻撃の入り口となります。

定期的なアップデートを実行し、脆弱性を修正することで、SQLインジェクションによるリスクを軽減することが可能です。常にアップデート状況を確認し、対応が求められる場合は迅速に行うことが大切です。

WAFを導入する

WAFの導入もSQLインジェクション防止に役立ちます。WAFとは、「Web Application Firewall」の略称で、Webアプリケーションを保護するファイアウォールのことです。主に以下のような機能を持ちます。

▼WAFの主な機能

  • 通信監視・制御機能
  • Cookie保護機能
  • IPアドレス拒否機能
  • ログ・レポート機能

WAFを導入することでSQLインジェクションはもちろんのこと、XSSやCSRFなど幅広いサイバー攻撃に高い効果が期待できます。特に大規模なWebサイトや取引情報を取り扱うサイトには、WAFの導入は必須だと言えるでしょう。

SQLインジェクションの対策ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエ

画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

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  2. ホワイトハッカーの技術力でSQLインジェクションによるリスクを低減できる
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セキュリティコンサルティングサービスにより、常に変化するサイバー攻撃の脅威に対応できるようになります。SQLインジェクションの脅威を排除したい方は、本サービスの利用を検討してみてください。

まとめ

本記事では、SQLインジェクションの仕組み、攻撃によるリスクや被害事例、効果的な対策方法を解説しました。

SQLインジェクションによる被害を受けると、情報漏洩やデータの改ざん・消去など、さまざまなリスクが伴います。過去にはECサイトやアウトレット運営会社が被害を受け、SQLインジェクションにより多大な損失を招いています。

SQLインジェクションによる被害を出さないためには、攻撃の仕組みや原因を理解し、その上で状況に合った対策を講じることが大切です。企業のセキュリティ対策を強化したい方は、「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」の利用を検討してみてください。

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