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社内レポート

2012年6月6日(水)

「ペンギンアップデート」の概要と検索エンジンが考える良質なサイトについて

ウェブスパムを排除し、良質なサイトをより高く評価することを目的として導入された新しい検索アルゴリズム「ペンギンアップデート」について。

インターネット業界の旬な話題を定期レポートするGMO最新ネット業界レポート SEO編を担当するのは、GMOインターネットグループのSEO事業を担うGMO TECH株式会社。独自の分析システムを有し日々変わる検索エンジンの動向を徹底分析、全てをロジカルに数値化したWeb戦略を提案する同社はSEO対策 を事業軸としながら、今後ニーズが高まるスマートフォンにおける集客事業の展開にも力を注いでいます。

執筆するのはGMO TECH株式会社SEM事業部マネージャー。SEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。

記事INDEX

はじめに

ご存知の方も多いかと思いますが、米Googleは2012年4月24日に「ペンギンアップデート」と呼ばれる大規模な検索アルゴリズムの更新を実施しました。

本レポートの執筆時点でこのアップデートから約1ヶ月が経過し、既にこのアップデートについては多くの報告がなされておりますが、単に「このアップデートで悪影響を受けなくて良かった」というところに留まるだけではなく、検索エンジンがどのような考え方でこういったアップデートを行っているか理解し、今後のサイト作りに活かしていくことの方がより重要ではないかと考えています。

今回は、このペンギンアップデートの振り返りを通して、検索エンジンに評価されるサイトはどのようなものなのか再度おさらいをしたいと思います。

ペンギンアップデートの目的

ペンギンアップデートはウェブスパムを排除し、良質なサイトをより高く評価することを目的として導入された新しい検索アルゴリズムです。このアップデートは全ての言語を対象として全世界同時に導入されました。

参考:Googleウェブマスター向け公式ブログ

ウェブスパムとは、検索エンジンを欺いて検索結果の表示順位を上げようとするページやサイトのことです。検索結果をクリックしてページを見た時、キーワードと関係がない内容のページが表示されたり、脈絡がなく意味の理解できない記事が掲載されたページが表示されたりしたという経験はないでしょうか。検索順位を上げるためだけの目的で、ユーザーの利便性を無視し、裏技のような手法を用いて作成されたコンテンツがウェブスパムです。

順位が下降したサイトの傾向

ウェブスパムの手法についてはこのアップデート以前より、隠しテキストや隠しリンク、クローキング等、さまざまなものが紹介されています。

それでは、今回のペンギンアップデートではどのような特性を持つサイトの順位に影響があったのでしょうか。弊社とは無関係なサイトも含め、弊社が監視している検索結果において、順位が下降しているサイトには共通して下記のような傾向が見られました。

・コンテンツの内容が薄いサイト
 ページ内にテーマに関する記述がわずかしかなく、利便性が低いサイト。
・クローキング
 他のサイトの内容をそのままコピーして掲載しているサイト。
・過剰な相互リンクを実施しているサイト
 リンク数を増やすことだけを目的に、多くの相互リンク集に登録しているサイト。
・海外のスパム媒体からリンクを受けているサイト
 他の言語で記述されたページの中に突如日本語で記述されたリンクが記述されている等。

いずれもユーザーの利便性が低いサイト及び行為です。特にリンクが原因となってランクダウンしたサイトが多く見られます。

検索エンジンが考える良質なサイト

順位が下降したサイトの傾向を具体的に挙げましたが、気をつけて頂きたいのは必ずしも「ペンギンアップデートで下降したサイトの傾向に該当しない」=「良質なサイトである」ということではないということです。検索エンジンのアルゴリズムは日々進化を続けており、今回の傾向に合致していなくても、検索エンジンを欺くような手法を取られているサイトはいつか順位が下降することでしょう。

ここでGoogleが考える良質なサイトについて、改めておさらいをしたいと思います。Googleは年間500回以上も行っているアルゴリズムの変更を通じて、ユーザーの検索キーワードに最も関連性が高く、かつ役に立つ検索結果を提供するように取り組んでいます。これだけ多く実施されている変更に、逐一対応することは不可能ですし、意味のあることとも思えません。

以下はGoogleが考える良質なサイトの例です。具体的な手段ではなく、サイト管理者の方にとっては当たり前だとお叱りを受けそうな内容ですが、手っ取り早く成果を得るために安易な手法に手を出していないか、サイトを訪れるユーザーに喜んで頂くにはどんなサイトにしたら良いのか、いま一度見直して頂く機会となれば幸いです。

Googleが考える良質なサイトの例
 1.検索エンジン目線ではなくユーザー目線で利便性の高いサイト。
 2.情報が豊かで、内容がわかりやすく正しく記述されたサイト。
 3.ユーザーが自分のサイトを検索する時に入力すると考えられるキーワードが適切な形で含まれたサイト。
 4.わかりやすい階層構造を持ち、さまざまな情報へのアクセスがしやすいサイト。
 5.不正なサイトや価値の低いサイトとリンクしたり、安易な自作自演のリンクを実施したりせず、
  ページを訪れた人にとって有益な品質と関連性の高いリンクを受けること。

上記はあくまでも例です。この他にもページの表示速度を上げたり、ユーザーがサイトを利用しやすいように、さまざまな工夫を施したりすることは、全て良質なサイトを構築するための取り組みであり、こういった取り組みが影響しあうことで、結果的に検索結果の順位においても良い結果が得られるようになると考えられます。

実際、弊社が監視しているサイトについても、上記のような取り組みを実施しているサイトはさまざまなアルゴリズムアップデートが行われている中でも高い順位を維持しており、安定的にアクセスを得られております。

最後に

今回はペンギンアップデートを通して、Googleがどのようなサイトを評価しようとしているのか改めておさらいを致しました。

これまでパンダアップデートや「過剰SEO」サイト対策のアルゴリズム変更についてこの業界レポートでご紹介して参りましたが、そちらも併せてご覧頂きますと、Googleのアルゴリズム変更の方向性がどのようなものなのかより理解を深めて頂けるかと思います。大変地道な作業ではありますが、サイト管理者の方には今後もユーザーの役に立つ良質なサイト作りに取り組んで頂ければと思います。

今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。





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2012.5.24



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