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社内レポート

2014年3月12日(水)

2014年1~2月の検索エンジンの主な動き

評価の高いサイトに学ぶサイト運営の推奨

インターネット業界の旬な話題を定期レポートするGMO最新ネット業界レポート SEO編を担当するのは、GMOインターネットグループのSEO事業を担うGMO TECH株式会社。独自の分析システムを有し日々変わる検索エンジンの動向を徹底分析、全てをロジカルに数値化したWeb戦略を提案する同社はSEO対策 を事業軸としながら、今後ニーズが高まるスマートフォンにおける集客事業の展開にも力を注いでいます。

そんなGMO TECH株式会社のSEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。

記事INDEX

はじめに

今回は2014年に入ってからの検索エンジンの動きの中で主なものをご紹介します。多くの方が注目される、順位に影響を及ぼすアルゴリズムの大きな変動は発生していませんが、サイト運営を行う上でヒントになったり、場合によっては対応が必要になったりするトピックがいくつかございましたので、その情報をどう捉えたらよいかということも含めてご紹介します。今後のサイト運営にお役立て頂けますと幸いです。

Google、ページレイアウトアルゴリズムの更新

このアルゴリズムはその名の通り、ページの構成要素がどのように配置されているかを理解し、評価するアルゴリズムです。具体的にはページにたどり着いた時、ページが広告多すぎてどこにメインとなるコンテンツがあるのかわからなかったり、下にスクロールしないとメインコンテンツが現われなかったりするページは評価が下がります。このアルゴリズムは2012年に2度更新されており、今回が3度目となります。なお、このアルゴリズム更新の影響は、弊社が観測しているサイトの順位状況を見ても小さかったと推測されます。

このアルゴリズムはAbove the fold(スクロールせずに見ることができるページの領域)を広告が占有している場合に順位が下げられると理解されがちです。単純にAbove the foldには広告を表示しなければ良い、広告で埋め尽くされてなければ良いと考えるのではなく、ユーザーの利便性を考えたサイト作りを行なってください。

なお、このページレイアウトアルゴリズムに関連して、ページの構成要素の配置をCSSで調整してメインコンテンツをHTMLソースの上部に表示するのは効果があるかというご質問が以前からよく頂きます。以前は一定の効果が見られましたこの手法も、このアルゴリズムの考え方に照らすと効果はないということになりますが、実際に順位を観測している中ではいくつか効果をもたらしている事例もありますので、大きな工数がかかる場合は必要ありませんが、無理なく対応可能できる場合は実施しても良いかも知れません。

Google、スマートフォン向けクローラーのユーザーエージェントを変更

Googleはこれまでスマートフォン用コンテンツに対するクローラーのユーザーエージェントとして「Googlebot-Mobile」を使用していましたが、それをウェブ検索用のものと同じ「Googlebot」に変更しました。理由はフィーチャーフォンとスマートフォンでは機能に大きな違いあるにも関わらず、ともに「Googlebot-Mobile」を用いてきたことにより、例えばフィーチャーフォンだけでよいのにスマートフォンのクロールをブロックしてしまうというような問題が発生したためとされています。影響は0.001%未満とのことでしたので多くのサイトで対応は不要と考えられますが、ページがクロールされることは検索結果に表示されるための大前提です。普段サイトを運営する中ではほとんど気にされないポイントですので、もし大きな問題が発生していて解決策が見つからない場合、この点についても確認をされることをおすすめ致します。

Google、無限スクロールのベストプラクティスを公開

無限スクロールとは画面を下にスクロールしたときに自動的に次のコンテンツが追加される仕組みです。TwitterやFacebookで採用されていますのですでにおなじみかと思いますが、検索エンジンにとっての無限スクロールの課題は、クローラーが人間と同じように下に画面をスクロールしてさらに次のコンテンツを読み込むとことができるとは限らないということです。そのため、Googleはウェブマスター向け公式ブログで、無限スクロールが検索エンジンにクロール、インデックスされる必要がある場合の推奨の構成を紹介しました。

自社サイトに採用する場合はこちらの内容をご検討頂ければと思いますが、無限スクロールについては、それ以前に「無限スクロールを採用すべきか否か」という点を慎重に検討し、ご判断頂くことをおすすめ致します。TwitterやFacebookのように情報を閲覧することが主な行動となるサイトでは無限スクロールがユーザビリティの向上につながることが予測されますが、ECサイトの場合は商品を探して購入するまでに一方向に情報を読み進めるわけではく、前にチェックした商品をもう一度チェックするといったアクションも頻繁に発生します。このようなアクションに対して無限スクロールは適していません。無限スクロールだけに限ってGoogleの推奨する構成を満たすことができたとしても、サイト全体として自社のビジネスモデルやユーザーの行動への配慮を欠いた構成になっていると、その他さまざまなSEO要件への対応が十分にできない結果となってしまうでしょう。そのため、単に流行りだからというだけで導入するのではなく、自社サイトのコンテンツをユーザーに届けるのに役立つ仕組みでかるかを十分に検討する必要があります。

最後に

今回ご紹介した検索エンジンの動きは全体の順位に大きな影響を及ぼすものではありません。しかしながら、検索エンジンがどんなことを重視していて、どんなサイトを高く評価しようとしているのかを掴もうとすることは可能です。SEO施策はとかく具体的なトピックに対してどのように対応するかということに目線が行きがちですが、それらをヒントにさまざまな角度からサイトをユーザーの利便性が高く、検索エンジンにとっても理解しやすいものに改善を図ることでより高い効果を得られると思います。

今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。


2013.3.12


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