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2020年10月9日(金)

ハイブリッドクラウドへの道 ~The road to hybrid cloud.vol.10~

Microsoft365でテレワークに対応したハイブリッドな情報システム基盤の作り方

「ハイブリッドクラウドへの道 ~The road to hybrid cloud.~」ということでこれまで連載をしてきましたが、ハイブリッドクラウドはサーバー関連の
技術のためだけではありません。

オフィスでのPCを使った日常的な業務をオンプレミスと考えると、AzureやMicrosoft365といったクラウドサービスを組み合わせてハイブリッドな情報システム基盤を構築することが可能です。

今回からは視点を変えて、オフィスの日常業務をハイブリッドクラウド化して新しい情報システム基盤を構築する方法を紹介してゆきます。

記事INDEX

1.クラウドサービスを利用したハイブリッド情報システム基盤とは?

これまで当たり前と考えられてきたオフィスでの仕事のやり方は、良くも悪くも大きな変革期を迎えています。

テレワークを余儀なくされ、自宅やリモート先からでも仕事ができる仕組みが必要になりました。社内のサーバーありきで、当たり前に接続して利用していた環境や、割り当てられた会社内のPCが無ければ仕事ができないといった環境ではなかなかテレワークに移行することが難しくなります。

会社にさえ行けば仕事ができるという考え方らから、会社に行かなくても仕事できる環境づくりが必要になります。クラウド利用が当たり前になった昨今、様々なクラウドサービスを選択できる状況にあります。ファイルサーバーの代わりにクラウドストレージを利用したり、いつものPCの利用から仮想デスクトップに切り替えたりと数多くあるクラウドサービスをうまく組み合わせることで、ハイブリッドな情報システム基盤を作り上げることができます。

もちろんセキュリティーも考慮しつつ、なおかつ使い勝手よく、もっと言えば今までよりも効率よく、生産性を上げるような、新しい情報システム基盤が必要とされています。

ハイブリッド情報システム基盤
ハイブリッド情報システム基盤
2.Microsoft365の最適なプランは?

ハイブリッドな情報システム基盤をどう構築してゆくか。

一番の近道としてMicrosoft365の導入をお勧めします。一般的な企業であればWordやExcelなどのOfficeアプリケーションの文化で業務ファイルは揃っているはずです。Microsoft365はこれまでのOfficeアプリケーションをそのまま利用しつつ、企業が必要とする様々な便利機能がクラウドサービスとしてワンパッケージで提供されています。

ICTツールや、情報共有のためのグループウェア、クラウドストレージなどテレワークでは必須のサービスも一度サインインすればサービスを切り替える煩わしさも無く、Officeアプリケーションとスムーズに連携して利用可能です。Microsoft365はいくつかのプランに分かれていて、利用できるサービスが異なります。


大きくは300名以下の一般法人向け=Businessか、それ以上の大企業向け=E(Enterprise)の2つに分かれます。


「Apps for business」と「Apps for enterprise」は、WordやExcelなどのいわゆるOfficeアプリケーションと、クラウドストレージのOneDriveのみというシンプルなプランです。SharePoint Onlineなどのクラウドサービスを利用しないということであれば、こちらを選択するのがよいでしょう。


「Basic」と「E3」はOfficeアプリケーションが含まれず、TeamsやExchange OnlineといったICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)ツールと一部クラウドサービスに限定して利用可能です。(ブラウザ版のWordやExcelの利用は可)


一般的な企業でMicrosoft365を利用して情報システム基盤を構築する場合は、「Microsoft365 Business Standard」プランが最適となります。

3.Microsoft365各プランの概要
3.Microsoft365各プランの概要

Microsoft365 Business Standardを管理画面から確認してみると、クラウドサービスだけでもこれだけのサービスを利用することができます。

4.Microsoft365 Business Standard
4.Microsoft365 Business Standard

さらに、デスクトップ版のOfficeアプリケーションをダウンロードして利用することも可能です。


1ライセンス(1ユーザー)あたり、5台のモバイルデバイス、5台のタブレット、5台のWindows PCまたは、MacにOfficeアプリケーションをインストール可能です。


その他アプリケーションやクラウドサービスに加えて、クラウドストレージも併せて利用可能となります。

◆容量
OneDrive1TB
Exchange Onlineメールボックス 50 GB(1ユーザーあたり)
SharePoint 1TB(1組織あたり) + 10GB ×ユーザー数
(20円/1GBで追加購入可)となっています。

5.Microsoft365の主なサービス概要

数多くあるMicrosoft365のサービスの中で、ハイブリッドな情報システム基盤を構築する上で利用機会の多い主なサービスの概要を紹介します。

5-1.Teams

テレワークの普及で注目を集めているのがTeamsです。


文字や音声によるチャット、Webカメラを利用してテレビ会議を行うコミュニケーションツールという認識が高いようですが、Microsoft365では、情報システムのハブとしての役割を担います。


ユーザーはTeamsから、OneDriveやSharePointといったクラウドサービスにそのままアクセスが可能です。数多くあるMicrosoft365のサービスを利用するために、毎回ブラウザを起動してログインといった煩わしさはありません。


Teamsからダイレクトにサービス画面を表示したり、サービスをタブに埋め込んでアドインアプリケーションとして利用することができます。情報をTeamsに集約することで管理のしやすさと、業務の効率アップが図られます。

情報システムのハブの役割を担うTeams
情報システムのハブの役割を担うTeams
5-2.SharePoint Online

いわゆるグループウェアとして認知されているSharePointですが、Microsoft365のサービスの一つSharePoint Onlineとなったことで、情報共有、発信の他に、クラウドストレージとしての役割も大きくなっています。

社内ネットワークからアクセスできる共有フォルダの代わりに、Web経由だけではなく、OneDrive経由で今まで通りファイルエクスプローラーを使ってSharePoint Onlineの共有ドキュメントフォルダにアクセスといった具合に、いつでも、どこでも、どのデバイスからでも利用できるクラウドストレージサービスとなります。

さらに、SharePoint Onlineの共有ドキュメントフォルダ内のExcelファイルなどは、既定で複数人での同時編集が有効となっており、生産効率アップが図られます。

ウィルス対策機能も標準で実装されており、細かいアクセス設定を行うことでクラウドストレージでも十分なセキュリティーを担保しつつ利用することができます。もちろん、社内ポータルやなどの情報発信や、リストを利用してのデータベースやワークフローなど、これまで通りグループウェアとしての役割も担っています。

クラウドストレージとして利用可能なSharePoint Online
クラウドストレージとして利用可能なSharePoint Online
情報共有グループウェアとしてのSharePoint Online
情報共有グループウェアとしてのSharePoint Online
5-3.Exchange Online

オンプレミス版のExchangeの機能がクラウドサービスとして利用できるExchange Onlineは、高度な運用スキルを必要とせず、Exchangeの便利な高機能な部分だけを利用できるサービスになっています。


スパム、ウィルス対策などセキュリティーが万全に採られた1ユーザーあたり50GBのメールサーバーとしてだけではなく、カレンダー共有によるスケジュール管理、会議室予約システムなど、企業が必要とする機能がすぐに利用可能です。


さらに、SharePoint OnlineやTeamsとの連携機能も充実しており、個々のサービスの境界を気にすることなく、ワンパッケージの情報システム基盤を構築することができます。

情報システム基盤の中核となるExchange Online
情報システム基盤の中核となるExchange Online
5-4.OneDrive

1TBの大容量が利用できるOneDriveは、個人のクラウドストレージとして利用機会が多くなります。


これまで社内のPCに貯めこんでいた業務ファイル類をすべてクラウド上で管理することで、どんなデバイスからでも、いつでも、どこでもアクセス可能になります。もちろんOneDriveをうまく使いこなすためには、これまでのように会社のPCにファイルを貯めこむといった仕事のやり方を変える必要があります。


また、OneDriveでも共有設定は可能ですが、SharePoint Onlineとの使い分けとして仕事を行う上で共有すべき情報はSharePoint Onlineへ必ず保存するといった会社のルール作りも必要になります。


共有設定が可能なクラウドストレージのOneDriveとはいっても個人向けのサービスなので、使い方を誤れば今までと同じように自分のPCにファイルを貯めこむのと何ら変わらないということも考えられます。


ハイブリッドな情報システム基盤を成功させるには、システムと同様に、仕事のやり方や使う側のルールなど大きな変革が必要となります。

エクスプローラーから利用できるOneDriveとSharePoint Online の共有ドキュメント
エクスプローラーから利用できるOneDriveとSharePoint Online の共有ドキュメント
5-5.Office Online

Word、Excel、PowerPoint、OneNoteがブラウザ内で利用できるOffice Onlineは、インストール版のOfficeアプリケーションと比較すると一部機能制限などありますが、出先や一時的に利用するPC環境でのファイルの確認や、ちょっとした編集には重宝します。

TeamsやOneDriveからも複数人での同時編集が可能な状態で直接ブラウザから開くことができます。

アプリケーションのインストールや、ファイルのダウンロード・アップロードなどの作業は不要です。

Office Onlineでは複数人での同時編集が可能
Office Onlineでは複数人での同時編集が可能

以上がMicrosoft365でテレワークに対応したハイブリッドな情報システム基盤の作り方、概要編となります。

オフィスでも、テレワークでも、いつでも、どこでも、どんな時も仕事のやり方を変えることなく、生産性を上げるような、新しい情報システム基盤は、クラウドサービスをうまく組み合わせることで実現可能です。

次回以降は、Microsoft365のそれぞれのサービスをより深く紐解いて、それらを利用したハイブリッドな情報システム基盤の作り方・考え方を紹介してゆきます。