社内レポート

2020年8月7日(金)

BIT VALLEY 2020 Kickoff~CTOスペシャルセッション~ レポート

BIT VALLEYを運営する4社CTOが「次世代」に向けて伝えたいこと

「次世代オンライン会議〜次の時代を切り拓くテクノロジーの祭典〜」
をテーマに掲げ、2020年7/22(水)〜9/12(土)にわたりオンラインで
開催される「BIT VALLEY 2020」。

そのキックオフイベントが7/22(水)に行われ、BIT VALLEYを運営する
サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ミクシィ、
GMOインターネットグループから5名のCTOが集まり、学生や
若手エンジニアなどの「次世代」を担う人たちに向けたトークセッション
をお届けしました。

また、共催4社から成るBIT VALLEY 2020実行委員会のメンバーが、
BIT VALLEYプロジェクトの成り立ちや、紆余曲折の少なくなかった
「BIT VALLEY 2020」準備の裏側、見どころなどをご紹介しました。

記事INDEX

1.ニューノーマル~コロナ禍に起きた変化と未来の私たち

2020年は、新型コロナウイルスとともに幕を開け、わたし達の生活も社会も
大きく変化を遂げようとしている転換期です。中でもIT業界に身をおく私たちは、
デジタル・テクノロジーに対する人々の期待が急速に高まったことを肌身で
感じた瞬間でもありました。


多くの企業はリモートワークの導入を余儀なくされ、リアルイベントの実施や
対面によるコミュニケーション機会が減った分、オンライン・コミュニケーション
による新しい組織やチームワークのあり方を試行錯誤する日々も続いています。


本セッションでは「BIT VALLEY 2020」を共催する各社のCTOが登壇し、
日本における産業の継続的な発展や経済に寄与するため、一連のコロナ禍の中で
得た気づきや新たに見えてきた課題について、CTOの目線で語りました。


また、これからの開発現場に期待していることや、この時代に社会人になる
学生たちへ向けたメッセージも寄せられました。

▼パネラー
株式会社サイバーエージェント(略称:CA)
取締役(技術開発管轄)
長瀬 慶重

株式会社ディー・エヌ・エー(略称:DeNA)
常務執行役員 兼 CTO
小林 篤

株式会社ミクシィ(略称:mixi)
取締役CTO
村瀨 龍馬


GMOあおぞらネット銀行株式会社
CTO
矢上 聡洋


▼モデレーター
GMOペパボ株式会社
取締役CTO
栗林 健太郎

1-1. コロナ禍での各社の勤務やオンボーディング、ぶっちゃけどうだった?

<リモートワークに踏み切った4社の経緯と現状>

▼GMOペパボ栗林
各社リモート勤務の決断の経緯をお聞きしたいです。
現状はどんな感じで運用していますか?


▼DeNA小林
各本部単位で動きが異なっていましたが、システム本部は
2月からリモートワークに移行しました。
会社全体としては3月くらいから積極的にリモートを開始し、
現状は出社率10%ほどです。


▼CA長瀬
うちは4月以降フルリモートに切り替え、緊急事態宣言解除後は
週に2回のリモデイとオフィス出社を併用しながら、状況を
見ながらリモートの頻度をどうするか定期的に検討しています。
(※感染者数が増加していることをうけて、7月27日週から
再びリモート勤務を原則としています。)

▼mixi村瀬
4月から原則リモートを開始しました。
最高時は99%のリモート率でしたね。7月は週2日出社、
それ以外はリモートというかたちで運用しています。
今後はまた更に状況を見ての意思決定が必要になってきそうですね・・。
(※感染者数の増加を受けて、8月は週4日のリモートワークを
推奨しています)

▼GMO矢上
GMOはグループ全体で1月27日からいち早くリモートに
切り替わりました。弊社は銀行なので最初はとても苦労しましたが、
緊急事態宣言発令時は、一部のやむをえない職種を除き基本的に
在宅勤務となりました。今も週2~3日程度は在宅勤務を
実施しています。


<リモートワークの生産性の実態>

▼GMOペパボ栗林
実際リモートワークになって生産性って上がりました?
それとも下がりました?

▼CA長瀬
上がりました。毎月アンケートを取っているのですが、
社員の回答からもそのような声が多く聞かれていますね。
多くは出勤時間や会議の移動時間がなくなったことが
パフォーマンスにつながっているようです。

▼mixi村瀬
変わらないという感じでしょうか。
まだ成果についてはこれからかと思うので、要経過観察
のフェーズかと思いますが、大きく何かが下がった
ということはないですね。

--

1社は上がった、それ以外3社は変わらないと回答。
リモートワークの成果については今後表れてくるものなので、
各社現時点での回答はありませんでしたが、アンケートでの
定量結果や肌感覚では、大きく生産性が下がったということは
ないようです。

<オンボーディングにおける変化と工夫>

▼GMOペパボ栗林
採用・オンボーディングについては何か変化はありましたか?

▼DeNA小林
採用は基本すべてオンラインです。
新卒の最終面接もオンラインでのコミュニケーションに
なっていますね。

▼GMO矢上
うちは新卒採用を行っておらず中途採用のみですが、
基本オンラインですね。

銀行ならではなのかは分かりませんが、
みなさんオンラインでもスーツを着用されています。笑
最近入社したみなさんは、初日のみ出社でそれ以降は
リモート勤務という形態なのですが、中途とはいえ、
オンボーディングがいきなりリモートというのは少し
苦労しています。

▼CA長瀬
人間関係の構築については意識的に取り組んでいます。
人との接点や気軽に話せる関係性づくり、ランチライムに
軽めのLT大会を開催するなどアウトプットや横・ナナメの
関係性作りの機会は意図的に増やしています。

▼GMO矢上
ラウンドテーブル形式で他会議へ出席したり、
面談やチーム会議の数を増やしたりするなど、
オンラインではリアルの時よりもコミュニケーションを
より積極的にとるようにして、オンボーディングは
リカバリしています。

▼mixi村瀬
説明できる資料、ワークフローなどのドキュメン
テーションの強化も行っていたりします。

▼DeNA小林
ドキュメンテーションをさらに丁寧に
行うことはうちも実践していますね!

言葉で直接補足屋フォローができない分人に伝える
ための時間の使い方は変化していると感じています。

ちょっとそれますが本題からそれますが、Zoom飲みや
オンライン飲みがはやっていますよね!
人とのつながりは形式を変化させて保たれているなと思います!

1-2.ITに関するサービスや事業のトレンドの変化はあったのか?

▼GMOペパボ栗林
コロナ禍に入り、業界全体での変化って感じられていますか?

▼DeNA小林
弊社は球団をもっていますが、楽しみ方やサポートの仕方
には変化がありましたね。

これまでは球場で応援・観戦を楽しむことがスタンダード
でしたが、この状況下では配信技術を駆使して盛り上がりや
楽しさをどのように伝えるか、とても試行錯誤していますし
双方向でのコミュニケーションなどITとリアルの融合が
多様化してきていますよね。

もともと5GやVRの活用の検討はしていましたが、
時代の要請により加速したと実感しています。

▼GMO矢上
1番はなんといっても『ハンコレス!』でしょうか。笑

GMOインターネットグループ全体で『脱ハンコ』
を宣言したので、これを契機として、弊社でも各社さまと
ハンコレスでの取引を加速させています。
それから、弊社では銀行APIをオープン化して各企業さまに
使用いただており、そうした問合せが増えているという点から、
銀行のオープンAPIが促進されているととても感じています。

▼CA長瀬
サイバーエージェントには『あした会議』という、
新規事業の創出や既存事業の見直しを行うための伝統的な
経営会議が存在します。

4月には『オンラインあした会議』を開催し、コロナ禍だから
こそ検討すべき新規事業立案や社内制度の見直しを行いました。
27案の提案から、16個ものプロジェクトが決議され、
エンタメ関連のDX・薬剤DXなどの新規事業が立ちあがりました。

頭を抱えながらも変化に立ち向かえるスピード感のある
環境が生み出せていることは大きな変化だったと思います。

▼mixi村瀬
弊社はITに加えコミュニケーション事業なので、この状況下で
コミュニティの在り方の再定義が必要だなと感じています。

先ほど矢上さんが例に挙げていたハンコレスもそうですが、
新たな挑戦やこれまでなぜ考えてなかったのか?
なぜいままでやれなかったのか?ということもあるので、
この変化の時代を機にさらに事業やサービスを進化させていく
必要があるなと思っています。

IT企業にとってインパクトのあった、スマホシフトと
同じくらいのインパクトのある時代に突入したと思います。

1-3.リモート時代のキャリアについてどう考える?

<これまでとこれからのキャリアの在り方の変化>

▼GMOペパボ栗林
AfterコロナもしくはWithコロナ時代の
キャリアに変化はあると考えますか?

▼CA長瀬
世の中一般的には、成果を可視化して、評価制度を
変えていく企業が増えるだろうという一方で、
(働く人には)セルフマネジメントができて、
成果が出せるということが求められる時代です。
またオンラインでアピール・プレゼンができる
ことも求められます。

会社としての変化は大きくないですが、結果的に
成長機会やキャリアの創出が可能な時代だと感じます。

▼mixi村瀬
世界各国のイベントもオンラインでの開催が増えた中で、
インプットの量を増やせるチャンスが格段に多く
なりましたよね。

個人の能力のアウトプットを強化することが会社としても
個人としても大事かなと。
それさえできれば、極論東京に住んでいる必要がなくなります
から日本全国・海外どこでも好きな場所で働けるということに
なると思います。

▼DeNA小林
働き方の多様性が加速していると感じます!
弊社は副業解禁し、成長機会を会社として増やしています。
先ほど村瀬さんもおっしゃっていましたが、場所を選ばずに
働けることで、自分/家庭/仕事など時間の裁量の自由度が
高い時代に変化したことは間違いないですね。

▼GMO矢上
コロナ禍を経て、弊社におけるエンジニアのキャリアの変化は、
特にありませんね。弊社は銀行事業を展開していますが規模的
にはまだ大きくないので、経営なども身近で学べます。

エンジニアをやりながらビジネスモデリングが学べるという
社風は、オンラインでも実現可能な環境です。
そういう意味では、キャリアの幅の選択肢が減ることはないのかなと思います。

<マネジメント視点の変化>

▼GMOペパボ栗林
マネジメント視点では現状をどのように感じていますか?

▼CA長瀬
目標設定の大切さは痛感しています。
これはいずれの職種にも当てはまりますが、目標設定が
正しいのかの検証を何度も行ったりして、マネジメント側が、
どのような目標設定をしているかの部分を注視していますね。

目標設定をテーマにオンライン研修を実施するなどして
手厚く対応を進めているところです。

▼mixi村瀬
1on1を重ね、結果と成果をそれぞれすり合わせる必要があります。
結果と成果は別で評価するべきですからね。

目標設定をすることはこれまでと変わらないので、
精度を上げていくための丁寧なコミュニケーションが必要だなと
思っています。

一方で、業務以外の余計なことが見えなくなったので
(喫煙所にいる時間や、動画を見ている時間が出勤時は
可視化されていたので・・笑)本質的な意味では
【成果】のみを純粋に測れるようになったなとは思います。笑

▼DeNA小林
丁寧にマネジメントをするために1on1、mtgが
増えるなどマネージャーの負荷は一定かかっている
と思いますので、そのあたりのケアも必要かなと感じます!

1-4.Withコロナ時代にエンジニアはどんなことを大切にすればいいかのか?

▼GMO矢上
コロナの有無にかかわらずですが、前例がない
ところに是非チャレンジしていただけたら!
0→1を生み出すチャレンジはとても大事です。

機械学習でできることは前例があること。
前例がないものを生み出せるのは、人間ならではの
醍醐味ではと思っています!是非、たくさんチャレンジ
していただきたいです。

▼CA長瀬
より個人がフォーカスされる時代になっていますが、
我々はチーム・サイバーエージェントを掲げています。

具体的にはエンジニアのピープルマネジメントの
分散を積極的に行っていまして、1000人近く
エンジニアがいるうちの200人ほどをそうした
人材にするための育成環境を整え、個人が活躍する
時代の中で組織に属するエンジニアがしっかりと
恩恵を受けられるような環境を作っていきたいと思っています。

▼mixi村瀬
業界的にもまだ試行錯誤の状況です。
この時代だからこそ周囲を巻き込んで自ら行動して
いただけたら、この時代ならではのコミュニケーション
スキルが身に付くのでは!と思います。

一方でこの時代だからこそ、行動することと同じくらい
自分の負担にも気付けるようセルフコンパッションも
大切にしてほしいなと思いますね。

▼DeNA小林
社員がどう活躍できるのか、支援していくのかは
今後どんどん企業側が強化していきます。
どんどんオープンソースに関わり、プロダクト開発に
チャレンジしてほしいです。

『Work from home』ではなく『Work from anywhere』。
どこでもチャレンジ何にでもチャレンジして
いただきたいなと思っています!

2.改めて考えさせられたその開催意義~今だからこそ、できること~

今年は、2018、2019をさらに超えるカンファレンスに!
・・・そこへやってきた突然のコロナ禍。

これまで学びの場としてだけでなく、参加者同士や
企業やスピーカーとも交流してもらい、体験して
もらうことを大切にしてきたBIT VALLEY カンファレンス。

オンライン開催になったことで、改めてその存在意義を
考え直すことができた良い機会でもありました。
そこにどんな葛藤があり、どんな想いがあったのか。

また、「BIT VALLEY 2020」にはどんな場が
用意されているのか?など、運営メンバーが
それぞれ語ります。

▼パネラー

株式会社サイバーエージェント(略称:CA)
人事本部 全社推進部
野島 義隆

株式会社ディー・エヌ・エー(略称:DeNA)
システム本部 CTO室
大月 英照

GMOインターネット株式会社
次世代システム研究室 兼 デベロッパーリレーションズチーム
稲守 貴久

▼モデレーター
株式会社ミクシィ(略称:mixi)
開発本部 CTO室
杉田 絵美

2-1.なぜBIT VALLEYは生まれたのか?

▼CA野島
CTOセッションで登壇していた長瀬が
ミーティング終わりに、会議室で渋谷の夜景を
眺めているときに『1社でできないことを何か
できないかなぁ』という一言を発したことが
きっかけです。笑
      
発足したのは3年前の2018年でしたね。
3年前の渋谷は再開発の真っただ中でしたが、渋谷の
IT企業が一丸となることで、この業界を盛り上げたい、
この業界の良さを若い人に伝えたいなぁと。
エンジニアが渋谷で生き生き働ける未来を創れたら
いいなぁという思いに賛同してくれたこの4社で、
初開催にこぎつけました。

▼mixi杉田
2018年は準備期間3か月でしたね。。笑

▼CA野島
はい。

それでも約1,000名の方に足を運んでいただいた
テックカンファレンスを実現することが
できました。その後、どんどんご協力
いただく後援やスポンサーも増え、2019年、
さらにパワーアップをしたカンファレンスを
実現しましたね。

2-2. 2020年開催までの運営を逆ロードマップで振り返り!

<2020開催までの経緯>
▼mixi杉田
開催までの8か月、紆余曲折いろいろなことが
ありましたよね・・

▼GMO稲守
長かったような‥短かったような・・・笑
昨年末の時点では、集客規模の拡大や産官学連携も
確定し、動き出していましたが、その矢先、
コロナ感染の拡大で紆余曲折でしたね。

みなさんとのミーティングでは、たくさんの議論を交わしたと思います。

▼mixi杉田
今年運営初参加の大月さんは、BIT VALLEYプロジェクトに
対してどのように感じていますか?

▼DeNA大月
各社の思いがそれぞれにあり、それがどう融合するのか?
はじめはとても気になりました。
ジョインして感じたことは、発想の柔軟性や拡張性はあるけれど、
あまりゴールや目的がぶれないなという印象です!

それぞれの思いを乗せて共につくっていくイベントの企画は、
とても面白いなと感じました!

▼GMO稲守
ただ、企画ミーティングは一度もオフラインで
あったことないですよね。笑

▼DeNA大月
そうなんですよね。
まだお会いしたことのない方も多いです。
オンラインだけで企画を詰めていく作業、
最初はちょっと難しいのでは・・・?と
思っていたのですが、意外といけましたね!

▼GMO稲守
たくさん尽力してくれている仲間がいるので
本当に軽々しくは言えないですが、無事に
今日キックオフが迎えられて本当によかったです!!

▼mixi杉田
オンライン開催への切り替えの決断、
今年主幹事のGMOさんは葛藤ありましたか?

▼GMO稲守
オンラインで開催すると決めてしまってからは
特になかったです!こういった状況で
技術カンファレンスが開催できない日々が
続いている中で、IT企業だからこその取り組みが
できていることはとてもよかったなと思っていますね!

▼CA野島
過去2年、地方の学生にも参加して欲しい想いで、
首都圏以外に在住する学生に交通費支援を
行ってきました。今回オンライン開催になることで、
場所に囚われずより参加しやすくなったメリットは
ありますよね。

一方で、ディスカッションを通して双方に受け取りあう
熱量や空気はオフラインでしか感じられないもの
なので来年以降、是非オフラインでも開催できたら
いいなと思いますよね。

▼mixi杉田
最後に「BIT VALLEY 2020」の見どころをお願いします!

▼GMO稲守
9月9日~12日までの4日間、BIT VALLEY WEEKを開催します!
『次世代オンライン会議』というテーマにふさわしいコンテンツを
多数ご用意する予定です。是非ご覧いただければと思います!