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2018年11月14日(水)公開

第220回

窓使いのCoin Trading System -Vol.4

PowerShellによる仮想通貨システムトレードの始め方(bitbank APIの使い方)

引き続き各取引所のAPIの利用方法を紹介します。
今回はbitbankです。

記事INDEX

前提・条件

・開発実行環境は、24時間システムを稼働することも考慮し、「お名前.comデスクトップクラウド」の仮想マシンを使って作成~稼働まで行っています。

PowerShellの基本的な文法、使い方については解説を省略しています。

・APIを公開している仮想通貨取引所の口座開設が完了しているものとします。口座開設方法については省略しています。

・システムトレードを行うことによって必ずしも利益が出るという保証はありません。

・.NET Framework で TLS1.1 および 1.2 を有効化する

PowerShellで使用される暗号化プロトコルは以下で確認することができます。
[Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol
Ssl3, Tls


既定ではSSL3、TLS(1.0)が利用可能となっています。
しかし最近では暗号化プロトコルにTLS 1.2を必須とするサイトが増えてきており、仮想通貨取引所のAPIも同様となっています。既定の設定では.NET Frameworkを利用しているInvoke-WebRequestコマンドを実行するとエラーとなる場合があります。Invoke-WebRequestコマンドでTLS 1.2を利用するようにあらかじめ設定をしておきましょう。

1つ目の方法としてはInvoke-WebRequestコマンドを呼び出す前にTLS 1.2で通信することを明記します。こちらはスクリプト毎にその都度明記する必要があります。

[Net.ServicePointManager]::SecurityProtocol = [Net.SecurityProtocolType]::Tls12
$res = Invoke-RestMethod $Url -Method POST -Headers $Header -Body $Body -ContentType "application/json"


もう1つの方法としては、以下のコマンドを実行して、レジストリでTLS 1.2で通信を既定値として設定しておきます。

Set-ItemProperty -Path HKLM:\\SOFTWARE\Microsoft\.NETFramework\v4.0.30319 -Name SchUseStrongCrypto -Value 1"


いずれかの対策を事前に行うことで、Invoke-WebRequestコマンドでAPIを利用する場合のエラーを回避することが可能です。

参考:.NET Framework で TLS1.1 および 1.2 を有効化する方法


bitbank APIの使い方

bitbankでは仮想通貨の現物取引のみ利用することができます。信用取引やFXは別のサービスである「bitbank Trade」が提供しています。APIを公開しているのは現物取引所であるbitbankとなりますのでこちらを紹介していきます。

まずはコードの一覧です。

https://github.com/InvokeV/PSdeCoinEX/blob/master/Sample_04.ps1

価格情報の取得:Get-Price


Public APIを使って板情報から売値(Ask)と買値(Bid)を取得します。
bitbankの場合はhttps://public.bitbank.cc/btc_jpy/depthこのURLからGetメソッドで直接ビットコインの価格情報が取得可能です。他の仮想通貨の場合はhttps://public.bitbank.cc/eth_btc/depthのように通過ペアを変更するだけです。

10-13: APIから取得できるデータはjson形式の文字列となるので、価格と数量それぞれに型を宣言して割り当てます。
15: Invoke-RestMethodの単純なGetメソッドなので、組み立てたURLを直接ブラウザで参照してもjson形式板情報を参照することができます。
37-43: PSCustomObjectに売値の最安値と買値の最高値の情報を格納してテーブル形式で表示しています。

Get-Price "bitbank"

Name AskPrice AskSize BidPrice BidSize
---- -------- ------- -------- -------
bitbank 682940 0.00350 682555 0.01730

API Key と Secret Keyの取得:Get-Keys

Private APIを利用するための「API Key」と「Secret Key」を取得します。bitbankの取引画面の「アカウント」-「API」を選択します。
https://bitbank.cc/app/account/api

こちらからAPIキーとシークレットキーを発行します。

APIキーの取得
APIキーの取得


キーを直接コード内に記述するのは避けたいので、Keys.jsonファイルとして別途保存しておきます。これまでと同様にjson形式で追加しておきます。

[
{
"SiteName": "bitFlyer",
"APIKey": "取得したAPIキー",
"SecretKey": "取得したシークレットキー"
},
{
"SiteName": "bitFlyerFX",
"APIKey": "取得したAPIキー",
"SecretKey": "取得したシークレットキー"
},
{
"SiteName": "Zaif",
"APIKey": "取得したAPIキー",
"SecretKey": "取得したシークレットキー"
},
{
"SiteName": "ZaifFX",
"APIKey": "取得したAPIキー",
"SecretKey": "取得したシークレットキー"
} ,
{
"Site": "bitbank",
"APIKey": "取得したAPIキー",
"SecretKey": "取得したシークレットキー"
}
]

(Keys.json)

Header情報の作成:Get-Header

取得したキーを使ってAPIの認証を行うためには、Invoke-RestMethodコマンドにHeaderとして認証情報を作成して渡す必要があります。bitbankの場合は必要な情報を文字列として連結して、bitFlyerと同様にSHA256ハッシュ関数を使ってシークレットキーで署名したものが認証に必要な情報となります。難しい話は読み飛ばしても、コードをそのまま再利用すれば使えるものを紹介します。

必要なHeader情報

項目
ACCESS-KEYAPIキー
ACCESS-NONCEリクエスト実行時刻 ※1
ACCESS-SIGNATURE署名値 ※2

※1:協定世界時(UTC)の1970年1月1日午前0時0分0秒から、Get-Dateコマンドで取得した時間までの経過時間(UnixTime)をミリ秒で表したもの。Nonce(number used once:ノンス)と呼ばれる重複しないための値。

※2:Nonce、メソッド(Get or Post or Put)、クエリー値(リクエストパス + コマンド + パラメーター)を文字列として連結してシークレットキーを使ってSHA256ハッシュ関数で署名したもの。


51: 作成したGet-KeysコマンドでAPIキーを読み込みます。
89-97: 必要な情報を、シークレットキーを使ってハッシュ関数で署名します。
98: ハイフンを省いた文字列として取得します。
99-103: Header情報を作成します。

資産情報の取得:Get-Asset

bitbankに保持している日本円とビットコインの残高を取得します。bitbankでは、ビットコイン以外の仮想通貨の取引が可能なので、他の通貨情報も取得可能です。


資産情報はInvoke-RestMethodコマンドのGETメソッドで取得できます。このときHeader情報に認証データを含めることになります。

138: リクエストURLをクエリー値としてGet-Headerコマンドに渡しHeader情報を取得します。
140: Invoke-RestMethodコマンドの実行結果から、BTCもしくはJPYの値を抽出します。

Get-Asset "bitbank" "jpy"

10,000

売買注文:Set-Order

売買注文はInvoke-RestMethodコマンドのPostメソッドで発注することができます。このとき、Header情報に認証データを、Bodyに注文内容を合わせて送信することになります。


246: エンドポイントはhttps://api.bitbank.cc/v1/user/spot/orderとなります。
248: pairとして通過ペアbtc_jpyを指定します。
249: 売り注文の場合は”sell”、買い注文の場合は”buy”となります。
250: 成行注文の場合は”market”、指値注文の場合は”limit”となります。
252: 最小注文単位は0.001btcとなります。
255-256: Invoke-RestMethodコマンドで注文を行います。戻り値の”success”のプロパティー値が0となった場合、エラーメッセージを表示して戻り値を0としています。
257: 注文が成功した場合はオーダーIDを戻り値として返します。

Set-Order "bitbank" "buy" "limit" "600000" "0.001"

423739545

注文の確認:Get-Order


301: エンドポイントはhttps://api.bitbank.cc/v1/user/spot/active_ordersとなります。
305: すべての有効な注文を確認することができます。

Get-Order "bitbank"

order_id : 423897045
pair : btc_jpy
side : buy
type : limit
start_amount : 0.00100000
remaining_amount : 0.00100000
executed_amount : 0.00000000
price : 600000.0000
average_price : 0.0000
ordered_at : 1529735523454
status : UNFILLED

注文のキャンセル:Cancel-Order


注文時に取得したオーダーIDを指定します。successのプロパティー値が1となっていれば成功です。

Cancel-Order "bitbank" 423897045

success data
------- ----
1 @{order_id=423897054; pair=btc_jpy; side=buy; type=limit; start_amou...

コマンドサンプル

以降は作成した各コマンドのサンプルとなります。




以上がbitbankの基本的なAPIの利用方法となります。
bitbankは信用取引ができないのは残念ですが、個人的にはAPIのエラーが少なく安定しているので使いやすいと思います。

参考:
bitbank (https://bitbank.cc/)
APIリファレンス(https://docs.bitbank.cc/)

樋口 勝一

GMOインターネット株式会社

1999年6月GMOインターネットに入社。Windowsを用いたホスティング事業の立ち上げの際、サービス開発からその後の保守・運用まで1人で担当。2010年には「お名前.comWindowsデスクトップ」をリリースし、マイクロソフト社と強い信頼関係を構築。2007年から連続で「マイクロソフトMVPアワード」を受賞し、Windowsのスペシャリストとして活躍。

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