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2009年11月25日(水)公開

第2回

「GMOとくとくショップ」オープンにあたって

GMOとくとくショップと最新テクノロジー

GMOインターネット株式会社 次世代システム研究室 室長 堀内敏明。2002年7月現在のGMOメディア株式会社に入社後、2003年3月に同社取締役システム本部長に就任。その後2006年7月にGMOメディアホールディングス株式会社取締役CTOに就任。2008年3月よりインターネット最新テクノロジーの研究や開発に従事する現職となる。
GMOインターネットグループは2009年11月24日、新しいショッピングガイドサイト「GMOとくとくショップ」をオープン。同サイトは、既存の大手インターネット会社のショッピングガイドサイトと異なり、最新テクノロジーを多数盛り込んでいるのが特徴。このサイト開発を手掛けたGMOインターネット次世代システム研究室から、実際のサービス開発に際して発生する課題や最新テクノロジーの選定など、技術者の生の声を紹介。

記事INDEX

GMOとくとくショップ」誕生の背景

GMOインターネットグループでは、GMOメイクショップ株式会社が運営するMakeShopや株式会社paperboy&co.が運営するColor Me Shop! proといったオンラインショップASPサービスを提供しており、現在、約36,000以上のショップ運営者様にご利用いただいています。

これらのサービスは、ショップ運営者様が独自ドメインでショップを開設できる上、高機能で、デザインのカスタマイズも自由にできるため、ショップ運営者様からは、お店独自のカラーが出せるネットショップが運営できるとご好評をいただいています。

また大手ショッピングモールへの出店とは違い、月額固定費でショップを運営することができるので、少額な予算でネットショップを始めることができます。しかし、独自ショップは、運営者様自らが「集客」や「ポイントシステム導入」などを行う必要があり、運営者様にとって大きな課題となっていました。

GMOインターネットグループでは、ショップ運営者様のこの課題に対して、ユーザー数945万人以上の「GMOとくとくID」と、その共通ポイントである「GMOとくとくポイント」を各ショップと連携できる仕組みを開発しました。この仕組みを利用して、ショップ運営者様の集客や売上アップについてのお手伝いを積極的に行っています。

今回私たちが携わった「GMOとくとくショップ」は、「GMOとくとくポイント」を導入いただいているショップの商品を優先的に表示する仕組みを取り入れ、運営者様のさらなる集客や売上アップのお手伝いができるような機能をもったショッピングガイドサイトとして開発しました。

GMOとくとくショップロゴ
GMOとくとくショップロゴ
GMOとくとくショップサイトイメージ
GMOとくとくショップサイトイメージ
最新テクノロジーの実験場としての「GMOとくとくショップ

今回、この「GMOとくとくショップ」を開発するにあたり、インターネットの最新テクノロジーを多数盛り込みました。最新テクノロジーに興味がある人にとっては、非常に興味深い環境になっていると思います。

GMOとくとくショップ」のシステムは、近年非常に注目されているクラウド・コンピューティングのテクノロジーを多数盛り込んでいます。基盤となるクラスタリング環境には Amazon EC2 と互換性がある「Eucalyptus」を採用しました。Eucalyptusはカリフォルニア州立大学サンタ・バーバラ校コンピュータ科学学部で開発が 進められてきた、オープンソースのクラウドソフトウエアです。

この環境上で、大規模データの分散アプリケーションをサポートする「Hadoop」を稼働させています。Hadoop は Apache Software Foundation による Lucene の Nutch サブプロジェクトの一部として スタートし、もともと Google Labs で開発された MapReduce と Google File System を参考として開発されています。また2006年の 3月、MapReduce と NDFS (Nutch Distributed File System) は分離され、Hadoop と呼ばれる独自のプロジェクトとなりました。

GMOとくとくショップ」の 基盤システムは「Xen」+「Eucalyptus」+「Hadoop」をカスタマイズして稼働させています。AmazonやGoogleのクラウド環境 に対して大変参考となるこれらのテクノロジーについては、以前より次世代システム研究室で研究開発を行っており、すでに一部サービスで採用していました。 今回のシステムについても、今後の負荷増大に容易に対応できるメインの基盤構築に採用することにしました。

これらの基盤システム環境は、GMOインターネットのデータセンターで構築し稼働させています。自社開発・自社運用にこだわってきたGMOインターネットの強みを生かして、今回も自社でクラウド環境を構築しました。

また、610万を超える商品を扱うための環境も考慮しました。商品数は今後も増え続けます。そういった負荷の増大に速やかに対応するために、デー タベースは「MySQL Cluster」を使用することにしました。検索エンジンは全文検索システムの「Solr」を採用しています。Solrのパフォーマンスは非常に優れており、私たちはほかのサービスですでに使用してきたノウハウをさらに発展させて使用することにしました。形態素解析機はおなじみの「MeCab」使用、お薦め商品を表示するレコメンドエンジンには、機械学習ライブラリの「Mahout」を今回初めて採用しました。

そして、アプリケーションの構成として、フレームワークに「Struts2」および「Spring2」を利用しています。データベースとの接続につ いては「iBATIS」をカスタマイズして使用しています。またメモリキャッシュとしてEhcacheを利用してAPサーバーのメモリを非常に有効的 に利用できる仕組みをとっています。アプリの開発についても、すべて自社で開発を行いました。

今回のシステムはまだまだ実績が少ない基本ソフト(OS)を採用したことから、私たちは安定性と性能を向上させるために、多数のカスタマイズやチューニングを行いました。またすべてにおいて運用ノウハウや今後のシステムへの応用を念頭において開発しました。

GMOとくとくショップ」は、見た目はシンプルなショッピングガイドサイトですが、内部的にはこういった最新のテクノロジーを使用しています。今後も最新のテクノロジーを積極的に導入していく予定です。

次回のレポートでは、今回ご紹介したテクノロジーのさらに詳細をご説明をしていく予定です。

また、次世代システム研究室ではクラウドを作りたいエンジニアを募集していますので、ご興味がある方はこちらからエントリーをお願いします。



2009.11.25

取材協力:GMOクリエイターズネットワーク株式会社



堀内 敏明

GMOインターネット株式会社

2002年7月に、現・GMOメディア株式会社に入社後、2003年3月に同社取締役システム本部長に就任。2008年3月よりGMOインターネット株式会社 次世代システム研究室 室長としてインターネット最新テクノロジーの研究や開発に従事。2015年3月に同社常務取締役に就任。

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