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社内レポート

2013年8月21日(水)

検索市場におけるウェブサイトの状態を測る指標

ウェブサイトの状態を測るポイント

インターネット業界の旬な話題を定期レポートするGMO最新ネット業界レポート SEO編を担当するのは、GMOインターネットグループのSEO事業を担うGMO TECH株式会社。独自の分析システムを有し日々変わる検索エンジンの動向を徹底分析、全てをロジカルに数値化したWeb戦略を提案する同社はSEO対策を事業軸としながら、今後ニーズが高まるスマートフォンにおける集客事業の展開にも力を注いでいます。

記事INDEX

はじめに

前回までのレポートでは、主にアルゴリズム関連の話題を取り上げてきました。
今回は、「検索市場におけるウェブサイトの状態を測る指標」と題して、少しアルゴリズムの話題から離れて、ウェブサイトの状態を測るポイントについて、レポートしたいと思います。

ウェブサイトの状態を測る指標

ウェブサイトの運営者である方は、検索市場において自身が運用しているウェブサイトの状態がどのようなものなのかとても気になるところです。検索市場にしっかりアプローチできているか、流入は獲得できているか、競合サイトと比較して立ち位置はどうかなど、ウェブサイトの目的を果たす上で、これらを確認、把握するというのは大変重要な事柄です。

では、重要な指標を測るポイントとして、どのようなものがあるでしょうか。
まず順位からご説明して参ります。

順位

順位は誰しもが見やすい指標の一つです。
運用しているウェブサイトのテーマに沿い、合致したキーワードの検索結果において、ユーザの目の触れる立ち位置を獲得できているか、競合のウェブサイトと比較して優位な立ち位置にいるかなどについて、順位状況から簡単に知ることができます。
つまりSEOにおいて順位は大変重要な指標の一つです。

少しデータは古くなりますが、図1は米AOLが調査した2006年のデータとなります。こちらを見れば一目瞭然ですが、検索結果の1ページ目(1位~10位)と、2ページ目以降の獲得トラフィックには雲泥の差があることが分かります。

図1:検索順位におけるトラフィック変化 (米AOL社2006年調査データ)
図1:検索順位におけるトラフィック変化 (米AOL社2006年調査データ)

また、図2は、米SEM企業iProspect社によって、検索結果の何ページ目までがユーザに閲覧されるのか?について調査された2002年~2008年のデータになります。見ると、2002年から年を追うごとに検索結果の1ページ目が閲覧される割合が高くなり、2ページ目以降は逆に閲覧される割合が低下していることが見て取れます。

これはつまり、ユーザの検索キーワードに対する検索結果の精度が向上するにつれ、1ページ目にランキングされることの重要度が益々高くなっているという証拠です。つまり、検索結果における順位は、立ち位置を知る上で重要な指標の一つであるということが理解できます。

図2:検索結果におけるページ閲覧割合 (米SEM企業iProspect社調査データ)
図2:検索結果におけるページ閲覧割合 (米SEM企業iProspect社調査データ)

しかしながら、数キーワードの順位の変化を追うだけであれば、順位による立ち位置の確認は大変な作業とはなりませんが、数百から数千キーワードをベンチマークしているようなウェブサイトを管理しているウェブマスターの方にとっては、順位を毎日全て見るというのは現実的ではないかもしれません。 その場合ファインダビリティという指標を用いて全体感を把握、観測することができます。

ファインダビリティ

ファインダビリティという指標は、簡単に言うと検索市場における見つけやすさを測る指標のことです。 SEO界隈では、ウェブサイトの状態を知るうえで、ファインダビリティスコアという指標を一要素として用います。

ファインダビリティスコアは、図3にあるように、1位30点、2位29点と点数を付けていき、その合計獲得ポイントにより、ベンチマークするキーワード市場において、ウェブサイトがどの程度ユーザから見つけられやすいポジションにいるのかについて、全体像を把握することができるという指標です。

例えば、対象が100キーワードの場合、最大ポイントが3,000ポイント、運用サイトが300ポイントだった場合、想定検索市場の約10%しかアプローチできていない=伸びしろがある、強化するべき市場があると判断することができ、改善のポイントを探ることができます。

図3:各順位におけるファインダビリティスコア
図3:各順位におけるファインダビリティスコア
順位やファインダビリティスコアだけではサイトの状態は測れない??

順位やファインダビリティスコアによって、検索市場における立ち位置を確認することが出来るとご説明してきましたが、順位などそれら指標だけでは、正確な立ち位置を測ることができません。
なぜなら、検索市場全体における順位やファインダビリティなどの指標は、あくまでも全体的に俯瞰して見ているだけであり、検索キーワードの属性やニーズ毎の立ち位置を把握することはできないからです。

そのため、より詳細に分析するためには、キーワードをカテゴリごと、または属性ごとに分解したうえで、市場ごとにファインダビリティスコアや順位状況を確認し、アプローチ状況をチェックする必要があります。

 例1:ファッション系ECサイトをカテゴリに分解する場合
 1.スーツ
 2.シューズ
 3.ジュエリー
 4.腕時計

  ……など

 例2:属性やニーズでキーワードを分解する場合
 1.興味
 2.欲求
 3.比較
 4.検討
 5.購買

  ……など

上記のように、対策しているキーワード全てを一括して見るのではなく、カテゴリやキーワードの属性、ニーズなどで分解し、それぞれの市場ごとに順位状況や、ファインダビリティスコアを確認することで、強化するべき市場などがより明確になる、つまりウィークポイントがより鮮明になります。

流入の予測

前述までで、順位関連に基づく指標をご説明してきましたが、SEOをする上では、現状の立ち位置を把握するだけでは不十分で、課題やアプローチするべき市場が見つかった場合に、どの程度の流入効果が見込めるか=注力するべきかについて、予測することも重要です。

その際に用いるのが、各キーワードの検索回数と順位毎のCTRを用いたシミュレーションとなります。 あくまでも目安とはなりますが、エクセルなどに予め図4のような計算式を組んだ試算表を作成しておくことで、抽出したキーワード市場における順位毎の想定流入数=効果を簡単に算出することが出来ます。

 図4:想定流入数の算出方法
図4:想定流入数の算出方法

各キーワードの流入数は、Googleが提供するキーワードツール(近日サービスが終了予定、後継としてキーワードプランナーがデータを提供。ただしAdWordsアカウントが必要)を用い、各順位におけるCTRは、米オンライン広告サービス企業のChitika社などが提供するCTRのデータ(図5)などを参考値として用いることが出来ます。

図5:各順位におけるCTR(米オンライン広告サービス企業Chitika社調査データ)
図5:各順位におけるCTR(米オンライン広告サービス企業Chitika社調査データ)

米オンライン広告サービス企業Chitika社調査データ

最後に

今回は、サイトの状態を測る指標と、強化するべき市場が見つかった場合の流入の予測の算出方法について、レポートさせて頂きました。

もちろん、サイトの状態を測る指標はこれらがすべてではありませんが、ファインダビリティスコアなどを上手に活用し、カテゴリやキーワードの属性ごとに分解した検索市場ごとに分析することで、現状の状態を簡単に把握することができます。また、これらの指標を活用することは、競合サイトの状態を観測することも簡素化できます。

分解したキーワード市場ごとに、定点で自社と競合を観測しておくことで、カテゴリやキーワードの属性ごとに、競合の変化をいち早くキャッチすることが出来ます。また変化した市場を確認後、実際に競合サイトにおいてどのような方法=変化が発生したのかについて、ウェブサイトの状態を見て判断することも可能です。

このように、自社の立ち位置だけでなく、競合の立ち位置も把握することで、より一層、SEOの取るべき施策が明確化することができますので、とても重要な指標と言えます。

まだファインダビリティという指標を用いたことがないというウェブマスターの方は、ぜひ一度この機会に利用されてみてはいかがでしょうか。





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2013.8.2


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