第4回 マーケティング編

ジャパンマーケットインテリジェンス
株式会社
ゼネラルマネージャー 織戸恒男

ジャパンマーケットインテリジェンス
株式会社
今、有名人や芸能人のユーザーも増えるなど話題のTwitter。仲間同士で利用するだけなく、中小企業のロイヤルカスタマー(優良顧客)の囲い込みにもバツグンの効果を発揮するツールということをご存知でしょうか?
第1回のレポートで紹介した勝間和代さんのような有名人や、Yahoo!JAPANなどの大手企業のTwitterサイトには、わざわざ検索して何十万という人がフォロワー登録しています。しかし、その理由はファンだからというだけでなく、単に“有名だから”“知っているから”など、そのブランド力に惹かれている人たちもかなり多いようです。
それに対して、ノンブランドの中小企業がTwitterで「つぶやき」を開始しても、最初は何もリアクションがないかもしれません。そこで、まず、eコマースサイトの画面上に「Twitter始めました!」というバナーを設けたり、名刺に「Twitterのアカウント」を印刷してお客様に紹介することは必要になります。ただ、そうした入口を経由してフォロワーになってくれるのは、決して一見(いちげん)さんではなく、その会社と長く取引してなじみがある得意先や普段からよくお店を利用してくれる常連さんだと言えるでしょう。
そういった意味では、Twitterというメディアは、ロイヤルカスタマーとの新たな接点が生まれるメディアになりえると思います。
さて、Twitter活用の具体的な例を紹介します。
ある町の小さな居酒屋のオーナーが、雨が降る平日の夜7時に来店客が少なくて困っているとします。そうした時、「本日限定雨の日セール!9時まで生ビール2杯無料」とTwitterで発信すれば、その投稿を見たフォロワーは、「これは行かなきゃ損!」と来店することになるでしょう。こうした即効性、つまり企業側のアクションに対するお客様の来店や購入などのリアクション効果を直ちに期待できるのが、Twitterの最大の強みなのです。
その場合、ホームページでは、いちいちFTPを使って更新・消去という手続きが必要なため面倒ですし、ブログはカンタンに更新できても、その記事が履歴に残ってしまうため、その内容によってはお客様に誤解を招く可能性もあるなど難しい面もあります。
しかし、Twitterなら、投稿(ツイート)数がブログとは桁違いに多く、常に画面の上部の投稿しか注目されないという特徴があります。そのため、雨の日の夜7時~9時限定といった時間軸の短い、その場限りのセールス情報の発信も気軽にできるのです。
こうしたことから、Twitterは、ホームページやブログとは異なり、“旬”の情報をダイレクトに伝達でき、効果も期待できるパワフルなメディアになり得る可能性を秘めていることがわかると思います。
次に、先述したロイヤルカスタマーの重要性について述べてみたいと思います。
企業の顧客層は
- 新規顧客(スイッチャー)
- リピーター
- ロイヤルカスタマー の3つに分類できます。
1990年代以降に提唱された経営学では、広告を打ったり、テレアポを依頼したり、チラシを配布したりなど新規顧客を開拓するためのコストは、既存顧客維持コストの数倍かかるという考え方が定着してきています。
つまり、新規顧客を開拓するよりも、リピーターを大切に囲い込んでロイヤルカスタマーに育て上げる方がはるかに経済効率は高いと言えるのです。
例えば、エアラインやホテル、販売業、レストランなどの業界では、リピーターが5%増えると利益は25%増加すると言われていますが、このことは同じサービス業であるeコマースにも当てはまるでしょう。また、いわゆる「8:2の法則」では、多くの企業で売上高上位約20%のロイヤルカスタマーが、全利益の約80%をもたらしていると言われています。
さらに、ロイヤルカスタマーには、CS(顧客満足度)という点から他人への推奨も期待できる点も注目されます。「この店はお勧めだよ」「この店のTwitterサイトのフォロワーになると特別な情報が得られるよ」などロイヤルカスタマーの方に口コミをしてもらえれば、新規顧客の拡大にも結びつくのです。
実際、Twitterに関する行動分析調査では、これまで述べてきた私たちの説が事実であることが証明されています。今回、企業と個人の2つのTwitterサイトのリコール調査(投稿から思い出せる言葉を書き出してもらう)を行ったのですが、個人のTwitterサイトの場合、個人的なつぶやきレベルの投稿が多かったこともあり、記憶に残る投稿はあまり多くないという結果になりました。
しかし、企業のTwitterサイトからのリコール内容では、製品情報、価格、キャンペーン情報などが大半を占めており、実際に事業者が消費者にダイレクトに伝えたい内容とほぼ一致していたということが分かりました。
TVCMの世界では、エグゼキューション(CMの場面設定)要素の印象が強くて、最も伝えたい商品やサービス情報のコミュニケーションがうまくいかないケースが多く見受けられます。その点、Twitterにはエグゼキューションの要素はなく、例えば、レストランの経営者が「カキフライ始めました」など、文字を使ってメッセージをダイレクトに伝達すれば、結果的にその内容が受け手にしっかりと伝わるのです。
これまで述べてきましたように、企業にとって重要なロイヤルカスタマーとの接点において、意図するメッセージを効率よく伝え、しかもその内容を認知させることができる有望なメディアであることをお分かりいただけたかと思います。
ただ、こうしたマーケティングツールとしての特性をしっかり認識してから運用していくことが、Twitterをビジネスに活かすうえで決め手になりますので、そのことを心に留めておいてください。
また、前回のレポートの「読ませるTwitter 5つの法則」にある、
- 「旬の話題(ex.季節、天気など)」
「数字(ex.価格、データ、年月日、時間など)」
「話し言葉(ex.ダイレクトなメッセージを伝える)」
などに留意することで、よりロイヤルカスタマーに響く特別のメッセージにすることができます。そのあたりも、もう一度チェックされることをお勧めします。
次回は、「Twitterのフォロワー数を増やすための方法」をテーマに、行動分析の手法を通した実験結果を紹介する予定です。
- 【第1回】空気のメディア Twitter (前編)- マーケティング リサーチ会社が見るTwitterの特性 -
- 【第1回】ウケるTwitter (後編)- 視覚行動分析がとき明かす 読ませるTwitter5つの法則 -
- 【第4回】ビジネスに活かすTwitter - マーケティングツールとしてのTwitterの活用 -
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