2015年11月12日

『中国版 結婚に関する実態調査』を実施
~一人っ子世代の80年代、90年代生まれの結婚意識が明らかに~

 GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(代表取締役社長 細川 慎一 以下、GMOリサーチ)は、GMOリサーチが提携する中国のモニターを対象に「中国版 結婚に関する実態調査」を実施いたしました。
  
●調査テーマ 中国版 結婚に関する実態調査
●調査地域 中国(北京、上海、広州、西安、瀋陽、陝西省、遼寧省)
●調査対象 婚姻歴のある男性:514名、女性:502名 計1,016
●調査期間 2015727日〜201583
●調査方法 インターネット調査(クローズド調査)
【調査背景】
 先日、少子高齢化による労働力人口の減少を背景に、中国政府は1979年から続けてきた「一人っ子政策」の廃止を決定し、世界的に大きく報道されました。この政策下に誕生した80后(バーリンホウ)といわれる1980年代生まれはすでに結婚年齢で、続く90后(ジウリンホウ)といわれる1990年代生まれも結婚可能年齢を迎えています(*1)。彼らは一人っ子ゆえに両親・祖父母から「小皇帝」「小皇后」と呼ばれ寵愛を受けつつ、改革開放政策の中で中国の発展とともに成長してきた世代です。
 この度GMOリサーチは、彼らが結婚(*2)をどのように捉えているのか、また性別や学歴、年収別でどのような結婚意識の差異があるのかを調査するべく、1980年代以降生まれをメインターゲットに、婚姻経験者(*3)を対象としたアンケートを実施しました。
(*1)中国における法的な結婚可能年齢は、男性22歳、女性20歳以上。
(*2)本調査における「結婚」は、初婚のみを対象としています。
(*3)調査対象者1,016名のうち、都市部戸籍が902名を占め、都市部に偏ったサンプルとなっているため、中国全体の公的統計と比較して差異が生じている可能性があります。
 
 
【調査結果】
■初婚年齢の推移(図1)
配偶者との初婚年齢を尋ねたところ、1980-90年代生まれが婚期を迎えた2011〜15年の平均初婚年齢は、男性27.9歳、女性27.2歳となった。1991〜95年と比較して、2011〜15年は男性で1.3歳、女性で1.9歳上昇していることがわかる。また、1990年代から2000年代前半にかけて晩婚化の進行が見られるが、近年は男性28歳、女性27歳前後に落ち着いている。
 
■配偶者の最終学歴、初婚時の年収(図2〜図3)
1980年以降に生まれた男性301名、女性338名を対象に、本人および配偶者の最終学歴、初婚時の年収を尋ねた。
最終学歴では、「中学/高等学校/高専/専門学校」「大学」「大学院」の3区分から選択してもらったところ、大学院卒の男性を除いて、7割前後が同じ最終学歴の配偶者と結婚していることがわかった。
一方、年収別では、10万元未満の階層は過半数が同一階層の配偶者と結婚しているものの、年収10万元以上の高所得層については男女で傾向が異なることがわかった。高所得層の男性における同一階層の女性との結婚率は、10万元〜20万元未満で29.9%、20万元以上で40.0%にとどまるのに対して、女性では前者で66.7%、後者で84.6%に達する。
このことから、高学歴・高年収の男性は、学歴・収入が自分と同一もしくは低い相手と結婚することが多いが、高学歴・高年収の女性の多くは自分と同程度の学歴、年収の相手と結婚する傾向にあることがうかがえる。
 
■結婚相手に求めること(図4〜図5)
1980年以降に生まれた男女を対象に、配偶者に求める条件を計21項目から優先順に上位3項目まで選択してもらい、「性別」「最終学歴」「初婚時年収」の3つの軸で分析した。
3つの軸で共通して、約70%が「人間性(性格など)」を上位3項目までに選択しており、もっとも希望する条件としても40%を超えた。続いて「健康である」も上位3項目に挙げられることが多く、最優先ではないものの配偶者に求める人が多いことがわかった。
「性別」での違いを分析したところ、男性の39.2%が「美人である(容姿が優れている)」を上位3項目に選択している一方で、女性は13.6%にとどまり、その差は約3倍となった。また、「自分より収入が多い」(男性:8.3%、女性:22.2%)「家(マンション)を保有している」(男性:6.8%、女性:18.9%)と、女性は収入や資産の多さを上位3項目に挙げる割合が男性より高い傾向にあることがわかった。
「最終学歴」「初婚時年収」の分析軸では、学歴、年収が高いほど「美人・ハンサムである(容姿が優れている)」「仕事で主要なポジションにある」「大学、または大学院を卒業している」の項目を求める傾向にあることがうかがえる。

■結婚に対する考え方
(図6〜図7)
1980年以降に生まれた男女を対象に、結婚に対する考え方の17項目の中から当てはまる項目を複数選択してもらい、「性別」「最終学歴」「初婚時年収」の3つの軸で分析した。
3つの軸で共通して、「結婚相手の家柄は重要である」を選択する割合が高く、特に女性では71.9%(男性59.1%)に達した。また、「結婚にあたっては、親や親族の意見を重視すべきである」(男性32.2%、女性39.6%)が、「親や親族が反対しても、自分が選んだ人と結婚すべきである」(男性19.6%、女性15.1%)「気に入った相手がみつからなければ、一生独身でも構わない」(男性16.9%、女性28.1%)といった項目よりも割合が高く、80后、90后世代全体として「家柄」「親」を重く見る傾向にあると考えられる。
「性別」での違いを分析すると、「愛があれば、相手の収入や財産は関係ない」が男性:45.8%、女性:26.0%と、男性は女性と比較して経済力より愛を重視していることがうかがえる。また、「結婚しても家事は男女平等に負担すべきである」(男性:44.5%、女性:57.7%)、「価値観や生活スタイルの違いに我慢できない場合、我慢して結婚生活を続ける必要はない」(男性37.9%、女性:51.2%)からもわかるように、女性は男性に比べて現実的、実利的な考え方を持っていることがうかがえる。このことから、結婚に際して夢を追いかける男性と、現実を見据える女性といった図式が浮かんでくる。
しかし「最終学歴」「初婚時年収」の2つの分析軸においては、「同じ程度の暮らしぶりの相手と結婚すべきである」という項目で、大学卒以上の高学歴層の割合が顕著に高い以外は、明確な差異は見られなかった。

【総論】
1) 80后、90后世代では、大学院卒以上の男性、または高年収の男性を除くと、男女ともに自分と同階層の相手を選好する「同類婚」傾向が見られる。特に大学卒以上の高学歴、高年収の女性は同程度の学歴、年収でなければ結婚しない傾向が強く、近年中国都市部で話題となっている「剰女(シェンニュイ=余り者の意)」の存在が調査からも垣間見える。
2) 結婚相手に希望することは、「人間性(性格など)」が圧倒的で、自動車や持ち家が何より重要、といった傾向はない。ただし、性格や健康面の次に、男性は容姿、女性は経済面を重視する傾向が明らかである。
3) 元来一族の結びつきが強く面子が重んじられる中国では、「一人っ子政策」や改革開放政策で家族構成が変容し、家族観念や結婚に対する価値観は変化しているものの、やはり家柄や親の意向が重視される傾向にあることがわかった。また、「小皇帝」「小皇后」と大切にされた80后、90后世代の多くが親から離れられない、または親が子供離れできない可能性もうかがえる。個人どうしの自由な恋愛を嗜好しつつも、「家柄」「親」の同意の上で結婚し、結婚後も緊密な関係を継続したいと考えているのではないだろうか。

 
【ご参考】
 より詳細な調査結果は以下のURLより「中国版 結婚に関する実態調査」分析レポートをダウンロードいただけます。
※レポート使用の際には必ず出典として「GMOリサーチ調べ」とご記載ください。
▼2015年6月30日発表 日本版「結婚に関する実態調査」
 URL:http://www.gmo-research.jp/4502.html
 
【GMOリサーチ株式会社について】
 GMOリサーチは、従来通りの市場調査手法はもちろん、MROCやアイトラッキング、スキャナマインドなど、最先端の技術と手法を駆使した市場調査サービスを提供しております。現在、アジア13カ国で約1,700万人の消費者にインターネットリサーチが可能な「ASIA(アジア) Cloud(クラウド) Panel(パネル)」を利用したインターネットリサーチのほか、マーケターの調査をサポートするDIY型インターネットリサーチツール「GMO Market(マーケット) Observer(オブザーバー)」を提供しております。
アジア最大規模の調査対象者とDIY型インターネットリサーチツール2つのサービスを通じて、当社はアジアの生活者のニーズを世界中の企業にご提供し、さらなるインターネットリサーチの発展に貢献してまいります。

 ■「ASIA Cloud Panel」 URL:http://www.gmo-research.jp/acp
 ■「GMO Market Observer」  URL:http://www.gmo-research.jp/rsp 




【参考資料】

(図1)初婚年齢(性別) [男性 N514 女性 N502 単一回答]




(図2)本人と配偶者の最終学歴 [男性 N301 女性 N338 単一回答]




(図3)本人と配偶者の初婚時の年収[男性 N300 女性 N336 単一回答]



(図4)配偶者に求めること(性別) [男性 N=301 女性 N=338 3項目まで複数回答]


(図5)配偶者に求めること(最終学歴/年収)[男性 N=301 女性 N=338 3項目まで複数回答]

(図6)結婚に対する考え方(
性別) [男性 N=301 女性 N=338 複数回答]

(図7)結婚に対する考え方(最終学歴/年収
 [男性 N=301 女性 N=338 複数回答]




【報道関係お問い合わせ先】
●GMOリサーチ株式会社 マーケティング部 白鳥
TEL:03-5962-0037(代表) 
E-mail:[email protected] 

●GMOインターネット株式会社  グループ広報・IR部 石井・島田
TEL:03-5456-2695 E-mail:[email protected]

GMOリサーチ株式会社】(URL:http://www.gmo-research.jp/
会社名 GMOリサーチ株式会社 (東証マザーズ 証券コード:3695)
所在地 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー
代表者 代表取締役社長 細川 慎一
事業内容 ■インターネットリサーチ事業、国内インターネットリサーチ、海外インターネットリサーチ、ソーシャルメディアリサーチ
資本金 2億9,903万円
【GMOインターネット株式会社】(URL:https://www.gmo.jp/
会社名 GMOインターネット株式会社 (東証第一部 証券コード:9449)
所在地 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー
代表者 代表取締役会長兼社長・グループ代表 熊谷 正寿
事業内容 ■インターネットインフラ事業
■インターネット広告・メディア事業
■インターネット証券事業
■モバイルエンターテイメント事業
資本金 50億円
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